どうも、モデ(@modeeisennui)です。ボーカロイドの声を悪魔や死霊の唸り声のようなデスボイスにする方法を紹介します。ここでは初音ミクとLogicを使用して話を進めていきますのでご了承ください。
デスボの作り方ショートVer
まずこちらの動画をご覧ください。
ざっくりボカロでデスボを作るのに必要な要素を解説しました。
根気良く調整できる方なら人間味のある人間味を失ったデスボを作れるはずです。頑張ってください! pic.twitter.com/1RiI19QvNs— モデ(modeeisennui) (@modeeisennui) 2019年5月18日
この方法で作ったデスボを使った楽曲
これ以降の内容は上の動画を細かく説明していきます。
興味があればお付き合いください。
デスボの素をつくる
まず使用するライブラリですが、柔らかめのライブラリが好ましいです。初音ミクの場合V4Xは全体的に抜けが良くデスボにした時に芯が残りやすいのでV3 softあたりがオススメです。
とは言っても、あくまで個人的な感想なのでお好きなライブラリをお使いください。
ライブラリが決まったら早速メロを作っていきます。
普通のメロディをデスボにすることも可能ですが、基本的に人間の放つ人間味を失ったデスボを表現したい楽曲はデスメタルやその類のものだと思います。
その場合まずメロディラインはリズムのみで表現した方がそれっぽくなります。
感極まったロングトーンを表現する場合は音が高くなります。ですがここでは同じ音程のままにしておきます。
また音程はボカロが低すぎず高すぎず、無理なく発声していると感じるあたりならどこでも大丈夫です。最悪楽曲のキーにあっていなくても問題ありません。
仮メロが完成したらMIDIで書き出してエディッターで読み込みます。ちなみに私はPiapro studioを使用しています。
読み込んだら歌詞を入力します。
調整という訳ではありませんが、力強さが出るので単語の頭はアクセントを強めにすると良い場合が多いです。
ディケイを大きくするとロングトーンの語尾が弱々しく不自然になるのでプリセットからstrong accentを選ぶ場合は注意です。
また、このやり方はブレスを入れるとブレス部分までデス化してしまうので入れない方が無難です。もしブレスを入れたい場合はブレス専用のトラックを作りましょう。
その他の細かい調整はあまり必要がありません。デスボにする事を前提に考えると労力の割には効果が薄いです。
元となるトラックができたら2つ複製を作って、それぞれ音程を半音3つ程度上下に動かします。トライアドでも構いません。
こんな感じです。
これでデスボの素が完成です。
デスボになるかチェックする
次にエフェクトをかけていきます。
必要なエフェクト
・フランジャー
・歪み
・EQ
・ピッチシフター(ボイスチェンジャー)
まずPiapro studioのトラックにエフェクトをかけてチェックします。
フランジャーは何を使っても構いません。ただ必ず最終的にはモノラルで鳴るようにします。Logicの場合はトラック最終段にGainを挿してモノラルにします。
フランジャーはRateやDephをいじってみるとわかりますが、ビヨビヨと声の揺れが変化するのがわかると思います。
軽く歪みをかけながらフランジャーのRate・Deph・Delayをいじってみてシャウトっぽくなるように調整します。
Logicのフランジャーを使う場合はspeed・Intensity・Feedbackです。
ピッチシフターをかける前の状態だとスクリーモ的なシャウトになります。
昔作った曲で申し訳ないですがシャウトはこんな感じです。参考までに。
フランジャーをかけると倍音がかなり出てくるので邪魔な部分をEQで徹底的に削ります。
悪魔的デスボにする場合はさらにピッチシフターやボイスチェンジャーをかけます。LogicならVocal Transformerがオススメです。
ですが違和感なく音程を下げられるエフェクトならなんでも大丈夫だと思います。
好みの問題にはなりますが、楽曲オケと馴染む音程までFormantを下げます。下げれば下げるほど人間味を失ったデスボになります。
良い感じの音程が見つかったらEQで尖った周波数を更に削っていきます。
ここまでチェックして70〜80%程度納得したら3つのトラックをPiapro studioから書き出してDAWに入れます。
デスボをつくる(最終工程)
3つのトラックをDAWに入れたらグループでまとめます。
Piapro studioのトラックにかけていたエフェクトをデスボの素をまとめたトラックにコピーすると楽です。
ここでもモノラルで聴こえるようにすることを忘れないようにします。
次にフランジャーをどうするか決めます。
というのは、まとめたトラックにフランジャーをかけるより、3つのトラックそれぞれ個別にフランジャーかけた方が音が馴染みやすいからです。
個別にかけるまでもなく納得しているなら余計なことをする必要はありません。
個別にフランジャーをかけたトラックが1つにまとめたトラックに送られているので、まとめたトラックにはフランジャーをかけません。
フランジャーの処理が終わったら、またしてもEQを使って徹底的に邪魔な周波数を削ります。
終始この作業がメインとなりますが、聴きやすい人間味を失ったデスボを作るためには必要不可欠です。
私は最終的には7個のwaves Q10を使いましたが、もっと良い方法があるとは思っています。思っているだけです。
最後にサチュレーションなど好みの処理をしてMIX処理をすれば完成です。
おまけテクニック
・オートメーション
各Qのon/offをオートメーション操作すると、部分的に高音が出すぎている時などに効果的な対処法となります。
マルチバンドコンプやダイナミックEQでも可能ですが、個人的にはオートメーションでの操作の方がデスボの倍音操作には向いていると感じます。
また、Vocal TransformerのFormantをオートメーションで操作する事で「感極まったロングトーン」や「より深い悪魔的デスボイス」を表現する事が可能です。
また、デスボも通常のボーカル処理同様に、ボリュームオートメーションを使ってトランジェント部分を削る事を忘れないようにしましょう。
・デスボの素を一部ミュートする
ピッチにオートメーションを書いて倍音を部分的にEQで削っても、どうしてもミクさんの素の声が混ざってしまうときがあります。
そんな時は3つあるデスボの素のどれかが浮き出ている可能性があるので、問題のトラックを見つけその部分だけミュートします。
残った2トラックのバランスを取る必要がある場合はオートメーション等でボリューム調節します。
最後に
ボカロによる人間味のある人間味を失ったデスボイスまとめ
1. フランジャーでシャウトの声帯を表現する
2. ピッチシフトで悪魔的デスボにする
3. EQで邪魔な周波数を徹底的に叩く
この3つです。
デスボにしないのであれば1と2だけで十分です。
そこまで難しい手順はないので、根気よく処理すれば誰でもデスボを使えるようになります。
興味があれば試してみるのも一興です。
しかしながら、例えデスボ愛好家同士であっても同じ環境や感性・感覚は持ち合わせていることはありません。
こんなやり方もある程度に留め、自分の求めるより良いデスボイスを追い求めてください。
長々と書いてしまいましたが、最後まで読んでいただき誠にありがとうございました。
この方法で作ったデスボを使った楽曲
ではまた。
最後にもう一度ショートVerをペタリ
ざっくりボカロでデスボを作るのに必要な要素を解説しました。
根気良く調整できる方なら人間味のある人間味を失ったデスボを作れるはずです。頑張ってください! pic.twitter.com/1RiI19QvNs— モデ(modeeisennui) (@modeeisennui) 2019年5月18日