どうも、モデ(@modeeisennui)です。ギターシールドなど、モノラルのアンバランスケーブルとしてよく知られているTSフォンケーブルの作り方を紹介します。はんだごてを使いますので火傷など心配な方にはオススメしませんが、自作できればケーブル関係の出費は若干抑えられます。
なお、あくまで私のやり方の紹介なのでもっと効率の良い作り方はあると思います。参考程度で留めておいてください。
ケーブル自作に必要なものとあったら便利なもの
まずケーブル自作で必須の工具はこちらです。
1. はんだごて
2. はんだごてスタンド
3. はんだ
4. ペンチ
5. ニッパー
6. ラジオペンチ
7. 爪楊枝(先の尖ったものなら何でも良い)
ここまであれば作れるとは思います。嘘みたいですが千枚通しなどの尖った工具がない場合は7.爪楊枝が役に立ちます。
ここからは、無くてもできないことはないがあったら効率があがる工具です。
1. ワイヤーストリッパー
2. メジャー
3. はさみ
4. 絶縁テープ
5. マイナスドライバー
6. プラグを挿せるもの(固定できるもの)
2.メジャーは長さを正確に計りたい場合には必要です。
5.マイナスドライバーははんだ付けする時に導線を押し付けるのに使っていますが、間違いなくラジオペンチやピンセットの方が良いです。他にも頻度は少ないですがあったら使える場面はいくらかあります。
6.プラグを固定するものは、私の場合は昔作ったジャンクションボックス的な箱を使っています。この手の固定できるものがあるとはんだ付けでわちゃわちゃしません。
この他にも便利な道具があるかもしれません。
初期費用を抑えようと思えばダイソーで揃うような工具でも自作はできます。
ですが、はんだごてやワイヤーストリッパーはある程度ちゃんとしてるものが良いと思います。
はんだごて
はんだ
ワイヤーストリッパー
素材はサウンドハウスで1m切り売りのケーブルと必要なプラグを買うのが良いと思います。
個人的に好きなケーブルはモガミ2534とベルデン8412や8423、フォン端子はスイッチクラフト、XLRキャノンはノイトリックが好きです。
TSフォンケーブルを作ってみる
今回はベルデン8412とスイッチクラフトのモノラルフォンプラグで制作していきます。ベルデンはケバケバがあるのでハサミがあると捗ります。
では私なりのやり方で作ってみます。
まずプラグのパーツをバラして確認する。
確認したらすぐにケーブルに通せるパーツを全て通す。
これをやらないとはんだ付け後に悲しいことになる場合が多いです。
次にケーブルの被覆を剥く位置を決めるためにあたりをつける。
位置が決まったらワイヤーストリッパー、ニッパー、ハサミのいずれかを使って被覆を剥きます。ケーブルを軽く挟んでクルンと一周ケーブルを回るように工具を動かすと被覆が剥けます。写真忘れました。説明も下手ですみません。
被覆を剥いたらシールド(編み込まれた線)が出てくるので千枚通しや爪楊枝などの尖ったもので解く。
解いたらひっくり返して裏側も解きます。
解いたシールドを二つに分ける。
分けたらそれぞれねじる。
ねじったふたつのシールドをよって一つにする。
一つにしたらケバケバをハサミやニッパーで切る。
中から出てきた白と黒の芯線の被覆を剥くためにあたりをつける。
あたりをつけたら被覆を剥く。ワイヤーストリッパーを使う場合は20の穴でピッタリ。
剥いた。
反対側も同じ工程まで進める。
進めた。
はんだごての電源を入れて温まるのを待ちながら、ペンチを使ってケーブルを捕まえておく。
ケーブルが中途半端に短い場合、ケーブル捻ったりすると反対側が暴れることがあるので反対側も捕まえておく。
ねじったシールドと白と黒の芯線に予備はんだをする。線を裏から温めて、温まった線にはんだを押し付ける方法で予備はんだをすると楽。
した。
モノラルフォンプラグ側のホットとグランドにも予備はんだをする。上の短い方がホット、下の長い方がグランド。
した。少なすぎました。
ホット(上)に白、グランド(下)にシールドと黒の芯線をはんだ付けする。
グランドに固定したシールドと黒の芯線はよって一本にしても問題ありません。私は初めて自作した時は一本によって作業していました。
ただ、ケーブルを自作していくうちにグランドにはんだ付けする線が太くなりすぎると何もかもがやりにくくなるので別々の方が良いことに気がつきました。
反対側もはんだ付けしてケーブルに通しておいたパーツを取り付けたら完成。本当に完成しているかチェックする。
大丈夫でした。
・ケーブルテスター – Behringer CT100のレビュー記事
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今回作っているケーブルはminilogue XDで使うLR二本のケーブルなのでもう一本作る。
できた。
長さは二本ともおおよそ75cmくらいです。
実際にminilogue XDでも音出し確認しましたが、問題ありませんでした。
おつかれさまでした。
最後に
ここまで来て言うことでもないかもしれませんが、ケーブル自作は無理にしなくても良いと思います。
素材や長さにもよりますが、自作しても1,000~2,000円くらいしか安くなりません。作業する手間を考えてこれを安いと考えるか高いと考えるかは人それぞれです。
工具が何もない状態から全て揃えるとすれば、ケーブルを数本作らなければ市販のケーブルを買った方が安いという場合もあるかもしれません。
ただ、ケーブルが作れるようになればケーブルトラブルの対処も簡単ですし、今後ケーブルを作れば作るほどお得なのは間違いありません。
費用以外の自作するメリットはケーブルの長さを自由に作れることです。
LRで使いたいケーブルを二本同じ長さの同じ商品をネットで買うと、若干の誤差で長さが1〜2cm違うことがほとんどです。ほぼ同じ長さのケーブルが届くことは稀です。
その程度では音が変わったりしないのは分かりますし、変わっていたとしても私には分かりません。しかし、多少のはんだ付けの下手さは許せても、左右で長さが違うケーブルは許せないのです。(個人的な感想です)
また、ケーブル自作は音の通路を自分で作ってる感覚があるので、DTM目線では自分の作った音が自分の作った通路を通って聴こえてくるというのが妙な面白さを感じられます。楽器なら自分の演奏が自分の作った通路を通っている感じです。厳密には様々な電子機器を通るので自己満でしかないのですが。
はんだが楽しそうと思う方や、ケーブル自作で今後出費を抑えていきたい方、ケーブルの長さをきっちり作りたい方などはケーブルを自作してみるのも一興です。
はんだごてはとても熱いので、自作する方は怪我や火事のないよう慎重に取り扱ってください。それと新品のはんだごては煙がでますが、基本的に故障でなければ使ってるうちに出なくなります。
また作業台がない場合はホームセンターに売っている安い板をデスクに載せると作業台っぽくなります。私はそうしてます。
次回、ベルデン8423を使ったマイクケーブルの作り方
ではまた。
はんだごて
はんだ
ワイヤーストリッパー