どうもです。初音ミクを喋らせる方法はたくさんあると思いますが、私が喋らせる時によく使う方法を紹介します。この記事で紹介するいくつかの方法は省略しても問題ありません。また、好みの喋り方や使用する初音ミクのライブラリによっても多少の誤差がありますのでご了承ください。
普段は初音ミクV3 DARKを使用していますが、今回は初音ミクV4 ORIGINALを使います。エディタはPiapro Studioです。
それでは早速調声してみます。
ノートの移動とPitch Bend
まずは適当な言葉を打ち込んでみます。
「こんにちわ」と入力してみましょう。
上の画像はベタ打ちの状態です。
このままでは機械的なので少しノートの移動、Pitch Bendの調整、もし音の強いノートがあるならアクセント調整をします。
・ノートの移動
自分で喋ったものを耳コピして動かします。
参考にする喋り方がある場合はそちらを耳コピしてください。
またノートの長さはプロジェクトのBPMによっても変わってくるので、変に意識せず聴いた感じの雰囲気のみで判断するようにします。
・Pitch Bend調整
子音側から下から上がるように薄く描きます。
言葉の滑らかさとランダム性を出す目的なので、適当で構いません。
また画像のように母音側の下りのPitch Bendは気にならなければ描かなくても問題ありません。
・アクセント調整
今回は「わ」の音が大きかったので0まで下げました。
それでも大きい場合はDYNで削ります。
では2つの違いを聴いてみます。
前半がベタ打ち、後半が調声をしたものです。
たったこれだけでもロボット感は薄くなっているかと思います。
音域設定と発音記号
次は「初音ミクです」と打ち込んで進めて行きます。
先ほどのように調声していきます。
初音ミクの場合、「〜です」のような「す」の部分やその他多くのサ行で不自然な発音に感じる事があります。その場合は発音記号を追加します。
・発音記号「_0」無声化
初音ミクは元々の発音記号に半角アンダーバーと0を追加する事で無声化することができます。無声化とは内緒話をする時のコショコショ声のことです。
上記の画像では「す」を無声化していますので「s M」に「_0」を追加しました。「s M_0」という記号になり、再生した時にコショコショ声になっていれば成功です。
それでは、音域を変えてもう1パターン作ります。
音域を変える事でニュアンスを大きく変えることができます。また、同じセリフでも音域によって調声は変わってきますので、調声したものをそのまま移動した場合は再度調声し直します。
初音ミクの場合C3〜C4あたりは元気が良く、音が部分的に抜けてきますのでアクセント調整の他に気持ち程度DYNを下げました。アクセント調整で削りきれない部分をほんの少し削っただけです。
そしてここでは、小さい「つ」を使っています。
・促音「 _ 」
こちらは発音記号に追加するのではなく、歌詞を入れるところに半角アンダーバーを入力してokを押します。すると下の画像のように、発音記号の場所にsilと表示されます。(「っ」、小さい「つ」として使われているものです。)
これは不自然に音が切り替わる部分の音を切って自然にする目的で使用します。
それでは2パターン聴いてみます。
音域が高い方が力強くスッキリしているように感じますね。
この辺りは好みがはっきり分かれると思いますので、ご自身で納得のいく音域を探すことをオススメします。
おまけテクニック
少し長めに喋らせてみます。
「ミクダヨー、職業はボーカロイド。歌うことが大好きです。」と打ち込んでみました。調声内容は下の画像の通りです。
Pitch Bendの他にノートを切ってしゃくっている場所がありますが、こちらは言葉の滑らかさではなく、しっかりとしゃくり上げたい部分でしたので分割しています。
伸ばし棒「ー」でうまくいかない時は、母音をそのまま入れたりして調整していきます。(「は」なら「あ」、「せ」なら「え」)
後半部分で無声化した「だいすきです」の二箇所の「す」の部分のノイズが気になりましたので、オーディオファイルにして気になった箇所にオートメーションをかけます。
無声化した「す」だけ1.8kと5.5k付近がごっそり削れるようにEQで設定。設定したEQのon/offが切り替わるオートメーションを描きます。
※この時、オーディオファイルの内容によって、または過度なEQ設定によってon/offの切り替え時にノイズや音質が変わり過ぎる事があります。万が一この方法を使う場合はノイズや違和感が出ないようon/offの位置に注意してオートメーションを描いてください。
・今回使用した初音ミクのEQ設定
・オートメーションで9番と10番がonになった時の設定
使用するEQは初音ミクのライブラリや楽曲によっても内容が変わりますので、お好みの設定で構いません。コンプも同様です。
また、EQのon/offオートメーションはノイズが気にならなければ必要はありません。
【POEMLOIDを使用した楽曲】
最後に
長々と書いてきましたが、気にならなければ飛ばしていい工程は多いです。
最低限必要な事は
・耳コピ力
・ノートの高低差
・Pitch Bend
この3つで十分です。
部分的に音の強さに差があるならコンプでカバーしてもいいですし、オーディオファイル化してからボリュームのオートメーションを描いても良いです。
ただ感情的に喋らせたいのであればDYNの調整は必須になると思いますので、自分で喋ったりして強弱を確認しながら調整する事をオススメします。
お喋りの調声は直す箇所さえ分かれば時間をかけるほどクオリティは上がりますので根気よく挑戦してみてください。
とは言うものの、どうしても思い通りにならない時は落とし所を決めて延々とやりすぎないようにしましょう。
最後まで読んでいただき、誠にありがとうございました。
ではまた。
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初音ミクを簡単に喋らせる方法【その2】