楽曲の音圧を過度に上げて視る高音圧の問題点


最近自分の楽曲の動画が他の方の動画に比べて音が小さく感じていたので、トライアルでマキシマイザーをいくつか試していました。そこで分かった事を備忘録的にではありますが書いていきます。昔から音圧を意識してきたDTMerの皆さんにはつまらない内容だと思います。

試した中で私の肌に合っていると思ったものはiZotope Ozone7です。

選んだ理由としては
・難しくない
・操作が簡単
・評判が割といい
・音がいい(気がする)

要するに使いやすかったというだけの理由ですね!

今まではwaves L1やlogic AdLimitなどを使っていたのですが、それらに比べて音圧が上げやすくガンガン突っ込んで満足していました。やっぱり有料のマスタリング専門プラグインはすごい。

しかし問題は後日、聴き直した時に確認しました。

 

高音圧の問題点

・音がキンキンしている
作業中は耳が音の大きさに慣れてしまったせいで、全体的に角があり突っ張っていてただ音が大きいだけになる。長時間の作業になる場合は、数時間後・数日後に改めて作業を再開した方が良い。

・全体の抑揚が減る
アタックとセクションごとの音量差が薄くなり、音の抜き差しでの落差しか残らない。小さい音量のセクションが大きくなるので、セクション毎に音量差をつけている場合はおかしなバランスになる。

私の場合ストリングスが好きなのでつい優先的に気になってしまうだけかもしれませんが、ストリングスを多用した楽曲はハッキリ音が悪くなったと感じました。
ストリングスの演奏法で、Arcoでは膨らむ部分は潰れて音が細くなり、Staccatoはアタックが押さえ込まれてしまいます。特性が完全に死んでいます。

全体的に見ると、一つ一つの音の色々な情報が無くなる代わりに音圧が上がっているという印象です。またトラック数が多ければ音圧は上がりにくく、少なければ音圧が上がりやすいです。

ジャンルによって左右され正解もないので、最終的には自分で判断するしかないようですね。

 

状況に応じた音圧設定を

比較対象が多い環境では音が大きい方が有利というのは少なからずありますし、だからこそ音圧戦争とかいうものが過去にあったのだと思います。(今でも音圧至上主義は存在している気はしてます)

そこで、どこまで音圧を上げるべきかという事ですがやはりジャンルによって考えるべきでしょう。
例えば、音圧を稼ぐために平坦を意識するEDMのような楽曲なら高め(RMS -5くらいらしい)で、ストリングスを多用した楽曲やクラシックなら低めといった感じが良いです。

しかしこれも好みによりますし、違うジャンルの楽曲を同じアルバムに入れる事があるならどこまで近い音量感にするかは悩ましいですね。その場合はご自身で納得できるバランスを見つける必要があるようです。

また、音圧を上げるほどMIXで設定したダイナミクスが崩壊するので、「他人の楽曲と比較して音圧が低いから上げたい」だけでしたらやめた方が良いかもしれません。
軸となるリファレンス曲は絞るべきでしょう。

 

最後に

ストリングスを多用したエレクトロニカなどはダイナミクスをある程度残して音量感を上げる場合はどうしたらよいのか?です。

私の場合ですがマキシマイザーで音を潰しながら持ち上げるよりも、マキシマイザーを挿す前の段階で音が大きく聞こえるようにするのが良い気がしました。
最も小さいくなるセクションが-12dbくらい(曲によります)で、ピークが-3dbくらいになるようにしてます。またサチュレーターを薄くかけて音の角を取り全体的に太く聞こえるように飽和させています。その際もしかしたら若干-3db超えるかもしれませんが気にしてません。

正しいやり方とかわからないので、是非とも参考にしないようお願いいたします。

少なくともOzone7なら今まで使っていたマキシマイザーよりも自然に持ち上がっているので良しとしましょう。トライアル終了後に購入するかどうかはわかりませんが…

結局「大きい音=良い音ではない」って事なんでしょうね。


今回はマスタリングについてよく考えていらっしゃる方々や師匠に多くのアドバイスを頂いて「何かを犠牲にしなければ音圧は上げられない」と、痛いほどわかりました。それがわかったところで技術がついてきてないのが現状なので気長に鍛錬して納得できるサウンドを探っていきたいと思います。

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